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東工大生のブログ

【キャリア】外部大学院入学(学歴ロンダリング)とは!? <メリット・デメリット>

 

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学歴ロンダリングとは?

 学歴ロンダという言葉をご存じでしょうか?

大学とは異なる大学の大学院に進学することを揶揄して「学歴ロンダリング」といいます.日本では学歴ロンダをすることを,あまりいい印象として受け入れられていないと思います.これは博士進学を見据えた大学院進学ではなく,就活を見据えた進学が多いことが原因としてあるのではないかと私は思います.

ロンダする動機としては,最終学歴に箔をつけたい,大学受験失敗の無念を晴らしたい,博士進学に向けたキャリアアップ等十人十色ではないでしょうか.

 

ともいう私も,関東国立大学から東工大大学院へ進学しました.進学の動機としては,「大学受験の第一志望だったから!」という強い意志があったから....という崇高なものは無く,完全に友人との「せっかくだから受けてみようぜ‼」というノリです.受験を決めたのも学部4年の5月入ってからでした.頭の良さの自慢ではなく,大学の受験と比較して大学院って段違いに入りやすいんですよ.旧帝大東工大といった難関大学も大学院では入りやすいです.大学受験のように文系科目があるわけではなく,TOEICTOEFL大学で専攻していた内容が試験科目となるため,勉強と過去問対策さえすれば受かります!

 

ということで,今回は外部国立大学から東工大大学院に進学した私が実際に感じた,学歴ロンダのメリットデメリットについて書きたいと思います.

 

外部大学院を受けるメリット◎

学業 

新しい研究分野に触れることができる

外部の大学院へ行くということは,学部と修士で研究分野を変えることができるということです.同じ大学内で研究室を変えることは,教授との人間関係が気まずくなりがちですが,外部に行くことでこれを気にする必要がありません.

特に,研究室配属が希望の部門に入れなかった人にオススメといえます.

私立大学生にメリット

大学院にも当然ながら学費が伴います。理系私立学部生の方は学部と同様に高額の学費が発生します.そのため,大学院を国公立大学にすることで家計を助け,親孝行ができます.

研究費が多い

理系に関して言えますが,やはり旧帝大東工大といった大学は他に比べてけた違いに研究費を持っています.全体でも多くの研究費を持っていますが,各研究室ごとに企業等と共同研究を行っており多くの費用を得ています.研究費があるということは,自分の研究に費やしてくれる額も多くなります.研究費の多い研究は,内容も現実味を帯びているので,自分の研究が将来どのようなことを実現できるのかイメージを持ちやすいです.

また,キムワイプやケイドライの使い過ぎに対してあまり小言も言われなくなります(笑)

留学生が多い

海外では,消極的な日本の学歴ロンダリングのイメージとは異なり,キャリアアップという考えのもとで他の大学院に進むことが多いそうです.そのためかはわかりませんが,多くの留学生が大学院から研究室に入ってきます.(私の研究室は5か国から来ています)

留学生のおかげで日常的に英語を話す機会が多くなり英語の練習になります.また,日本の常識とずれていることが多々あり,文化の違いを実感できます.この経験は,就職活動での強みになるかもしれません.

生活

新しい交友関係を気づくことができる

 学部とは異なる価値観を持った人たちと出会うことができます.4年間同じ大学で過ごした友達とは,まったくと言っていいほど価値観が異なります.というのも、大学によって,そこにはそこのカラーがあり異なった4年間を過ごしてきたんだなと実感します.(総合大学から東工大に入ったら雰囲気がことなって驚きました笑)

 

また,周りのレベルや思想も高いので刺激を受けます.新しい交友関係に身を置くことで就職活動や,博士進学といったことに新たな見方を得ることができるかもしれません。というのも博士進学している学生は外部から入った学生が多いような気がします.

大学院生になるとコミュニティが狭くなってしまうので,院進学でコミュニティ枠を増やすのもよいかと思います.

就活

最終学歴に箔がつく

いわゆる学歴フィルタは特に気にすることではないと思います.卒業大学も含めて学歴フィルタをかけているという話も聞きますが,特にそのような扱いを受けたことはない印象です.もしあったとしても,「学歴ロンダするほど自分のキャリアを考えていて向上心がある人を蹴落とす企業なんてこっちから願い下げだ!」と思いますけどね(笑)

あと,意外だったのが就活の時に学部の時と異なる大学院に進学したことにそんなに触れてきません.なので,もし学部の就職偏差値が低いと感じている方は学歴ロンダを検討してもいいかと思います.

 地方学生にメリット

 最終学歴のメリットよりこちらのほうが役に立つかもしれません.地方大学生が東大・東工大といった東京の大学院に進学することが就活に非常に有利に働きます.

有名企業の就職活動は主に都心や大都市中心で行われます.インターンや企業説明会などは会社のある場所であるため,地方の学生は都心の学生よりそれらのイベントを享受できる機会が必然的に少なくなります.これは,就活や自分の将来設計を行うにあたり非常に不利であるといえます.

 

また地方学生は,大都市に本社のある企業か地元の企業にて就職活動するかの選択に迫られます.しかし,交通費や渡航時間を考えると東京まで行く機会がなかなか作れません.そのため将来地方ではなく,東京や大企業や有名企業などで働きたいと考えている人は,東大や東工大等に大学院進学することが絶対にオススメだといえます

 

 外部大学院を受けるデメリット△

学業

講義の内容が異なる

同学科に進学した人も異なる学科に進学した人も同様の壁にぶつかります.

内部進学の場合は,学部の時と同じ先生陣の講義のため,学部の頃の講義に毛が生えたくらい(難易度は上がりますが)の内容といえます.もちろん,内部の人にとっても難しい講義です.しかし,外部の人にとってはバックグラウンド0の講義なので中々きつい講義も存在します.しかし,研究室の先輩方の過去問やレポの蓄積や同期もいるので単位が取れないということはめったにないと思います.

私は,専門の講義内容が畑違いなのに加えて英語での講義だったので,ちんぷんかんぷんでした(笑)

研究のストックがない

 学部とは異なる研究になるため,新たに研究を起こす必要があります.これは内部進学人が学部の研究をそのまま引き継げることに対して,大きなディスアドバンテージです.修士1年の時点である程度,方針を把握し軌道に乗せるべきだと考えると精神的に焦りを感じながら過ごすことになるかもしれません.

私は,就活が始まるまでには研究を軌道に乗せたいと思っていたため少し焦りを感じながら日々過ごしていました.

奨学金返済不要ジャンボがもらえない可能性大

研究の成果次第では奨学金の返済が不要になることをご存じでしょうか?

修士2年間で1か月に8万円ずつ借りていたとすると,約200万円の奨学金が返済不要になる制度です.これを私は,「宝くじよりあたる宝くじ」と呼んでいます(笑)

しかも,大学ごとに研究成果の良い修士学生の上位約1/3に当たります。またおそらく上位1/2程度であれば返済金半額免除になります.奨学金ジャンボ宝くじです.

 

この評価基準として,研究成果の海外・国内学会発表や論文といったものが大きくかかわってきます.内部学生は,卒業論文の内容をそのまま修士でも引き継ぎ,学会や論文に活かすことができ,成果を上げることができます.一方で外部から入って研究を1から起こさなければならないため,同じ土俵で戦うのは厳しいかと思います.そのため,この点に関しては研究が軌道に乗るかどうかの運にもよりますが,デメリットだといえます. 

生活

 研究室ガチャ

 他大の研究室を選択する際,研究室選びを行いますが,研究内容だけで選択すると地雷研究室に入る可能性があります.内部にそのまま進む場合は,先輩のアドバイスや講義などの経験から教授の人となりを把握できていますが,外部の場合はなかなか研究室訪問などで人となりを把握することは難しいです.優しい先生が実はめちゃくちゃアタリが強いことがあるかもしれません.

これだけは,研究室ガチャだと思って,SRが出る用日々徳を積みましょう.

就活

研究ストックがないため慌ただしい 

 就職活動において,特に技術職等を志望すると必ず研究内容の説明を求められます.口頭で伝えたりプレゼン資料を作成したり様々ですが,研究室全体の研究内容と自らの研究内容の十分な理解が必須です.面接官からの鋭い質問も飛んでくるので細かく把握しておく必要があります.修士1年の3月~(早い人は1月とか)から就活スタートとなるので1年で研究内容を十分に理解しておく必要があります.また,インターンは早くてM1の6月からES提出があるので2か月で多少は把握する必要があります.そのため,研究ストックがないことは就活面でも少しではありますが懸念するところではあります.

 

まとめ

今回私の主観中心のメリット・デメリットについて書いてみました.

こういう記事ってとても少なくて,自分が他の大学院を受けようと情報収集をするときに困った経験があります.

私は,他大学院に進学しましたが,私は学部のときの大学も好きだし,東工大もいい大学だと思っています.デメリットについても書きましたが,全体的な印象としてはほとんどマイナスに感じていることはないといえます.ただ,新しい価値観に触れ,視野が広くなったことは確実にいい経験だといえます!

 

現在他の大学院進学に興味がある人や,大学受験に失敗して4年後の大学院にてリベンジに燃えている人,3年間だらだら過ごしてしまって何かやってみるかと思って学歴ロンダをもくろんでいる方々に届いたら幸いでございます. 

 

 

 

 

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